こんにちは。
天気予報通り風が冷たく冷えてきましたね。
暖かかったり、寒くなったりと気候が不安定なので
体調管理に気を付けていきましょう!
今日は、年長さんから低学年のお子さんの相談に多い
「主語がないんです💦」
について書きたと思います。
そもそも、日本語は英語などほかの言語に比べて主語が無くても成り立つ文法です。
たとえば、
「それ、知ってる!いいよね。」
「I know it! It's fine.」
この程度であれば主語が無くても、さほど理解に苦しむことはないでしょうが
英語では誰が知っているのかに対して私(I)が入り、
「いいよね」に対してそれ(It)が入ります。
もちろん、
日常の日本語でも「私(は)、知っている」や、
「それ(は)、いいよね」ということもあります。
また、英語圏でも状況によっては会話の中で主語が省略されることもあります。
日本語を母国語とする私たちは、主語がないことばのやり取りに慣れているので、
英語学習のつまづきにこの主語問題があったりします。
※この辺りのことはまたいつか書きたいと思います。
さて、年長さんや低学年さんからの相談が多いことについてです。
それは、主語がもともと省略されやすい言語という特性の範疇を超えて、
養育者の方や先生方がやり取りの理解に困ったり、気になるからの相談です。
この場合の大きな原因は、
「伝える」ではなく独り言に近いからです。
独り言のベースにはその話題の状況や感情が自分の中にあります。
ですから、あえて主語が無くてもストーリーは成り立ちます。
「伝える」という作業には、独り言にあったベースとなる基本情報がないと伝わりません。
いつ(when)・どこで(where)・だれが(who)・なにを(what)・どうして(why)・どうやって(how)
いわゆる5W1Hですね。
とくに幼児さんは注目を集めることへの注意が強くなることもあるので、
伝えたい気持ちがいっぱいになり、焦ってとにかく話すことがあります。
「あのねー。痛かったんだよ!」
誰が?どこが?どうしたの?
と、一つ一つ確認していく作業が必要となります。
小学生になると求められる文章内容が増えることで、ことばを操るところでの負担が増え、
自分の中で内容を整理をする間もなく発言をしなくてはならいことがあります。
こうした過程で伝えるときに必要な基本情報である主語を落としてしまうこともあります。
今まで述べたことは、あくまで日本語の特徴と背景、ことばと心理の発達過程からの話です。
しかし、中にはほかの要素で主語が欠落してしまうことがります。
「伝える」ためには自分自身がまず内容を理解していること必要であったり、相手がいるということの気づき、ことば選びなどたくさんの要素があってのことです。
なぜ、主語がない話をするのか…
いろいろな背景があるかもしれません。
ご心配があるようでしたら、言語聴覚士にご相談ください。